日本庭園の美と精神を受け継ぐ、アートビオトープ那須、水庭

 こんにちは!

那須在住のライター前田です。



今回は少し前に訪れた、那須町にあるハイクラスな宿、アート ビオトープ那須で見学することができる水庭を紹介します^^

アートビオトープ那須は、ラグジュアリーな宿として人気だった二木倶楽部のあとを後継する、長期滞在型レジデンスとしてできた施設。施設内には本格的なガラス・陶芸スタジオが併設され、作品を作ることができるのも魅力です。

 今回のお目当ては、庭がまるっとアート作品となっている、「水庭」。宿泊客は無料で見ることができるのですが、宿泊客でなくとも、見学ツアーに参加できます。
事前にWEBで予約をしておくとスムーズですね。受け付けは、Gallery Cafe KANTAN内にて。料金はガイド付き水庭ツアー、2970円。ほかにランチ付き、ディナー付きのツアーも用意されていますよ。

 
CAFE KANTANのエントランスの一角。とても雰囲気がよいです。



ツアー参加者ははじまるまでハーブウォーターとジンジャークッキーをいただきながら、おもいおもいに過ごします。中庭も美しく、並べられていた作品を眺めてくつろいだりして始まるのを待ちます。
さてさて、ツアー開始! 
水庭は、2018年6月に気鋭の建築家・石上純也氏が手掛けた作品。
レジデンスを建築するために、もともとあった樹木を別の場所にそっくり移動させようという発想ではじまったのだとか。
木と水と苔。もともとあったものを重ね合わせ、人間のスケールに合わせて再びデザインしなおしているそうで。ひとつひとつのアートビオトープは、すべてパイプでつながり、沢からの水を循環させているのだそう。もともとの木々の間隔を大切にしながら、その間に池を作っているため、同じ形の池はないんだとか。
しかも一日に4本の木しか移築できなかっため、構想から4年もかかって完成したといいます。

自然の雑木林をイメージするかもしれませんが、コナラやイヌシデ、ブナといった落葉樹は、水の際では育たないのだとか。この美しくデザインされた庭は、本当の自然の中では、存在しえない姿なのだそう。

ガイダンスを受けたら、参加者は思い思いに庭に繰り出すのですが、
そのとき案内の役割をしてくれるのが、飛び石。
苔を踏みつけないよう、参加者はこの飛び石に乗り移りながら、先まで続くルートを飛び歩くのですが、これが楽しいのなんのって! けんけんぱをしながら進んでいくと、楽しい景色に次々と出くわす感じです。ミニマムな景色に入り込んでいくと、心地よいトランス状態に入るような不思議な感じがしてきます。

こんなハートのビオトープや、
飛び石の先から沢を見下ろしたり。なかなか茶目っ気のある案内をしてくれます。



築山からは水庭の全景も見渡せました。



築山を超えて、ベリー園を抜けると、奥には、立床石が。
この「立床石」は、四国にあるイサム・ノグチのアトリエに秘蔵されていた石。この水庭が、日本古来の庭園についての考え方をもとに、作られ、そうした思想を受け継いでいることを象徴しているのだとか。


レジデンスからも沢に下りることも。



庭園を巡るほどに、五感で庭を感じることができ、どんどん中に入り込んでいくような感覚に。飛び石をピョンピョンと飛び跳ねることで童心に返り、沢の音を耳で聴いて癒され、苔むす庭から漂う木々の香りに包まれ、自然と胸が弾んできます。とっても素敵なアートスポットでした。


そうそう、帰りには、KANTAN CAFEで地元横沢産のはちみつを使ったレモネードをいただきました。濃厚な甘さとレモンのさわやかさで幸せ気分、倍増でした!




























コメント

このブログの人気の投稿

那須塩原市『北風と太陽』で木城圭美(きしろたまみ)さんの作品に触れる

好きな銘菓を小分けで選べる、お菓子の城&川遊びもできる那須体験の森

大田原市hikarino Cafe' 蜂巣小珈琲店でワークショップ&木城圭美さん個展を覗く